加齢黄斑変性症とは
物を見るために最も重要な働きをしている「黄斑」に老廃物がたまり、見づらくなる病気のこと。
目の一番奥には、黄斑と呼ばれる場所があります。
そのサイズはわずか1.5~2mmですが、物を見るために最も重要な働きをしています。そこに加齢により老廃物がたまり、障害を受け見づらくなる病気を、加齢黄斑変性症といいます。病名に加齢とつくことからわかるように、若い方にはあまり起こりません。50代以上で発症します。
加齢黄斑変性症はその病型が大きく2つに分けられます。萎縮型と滲出型です。
萎縮型に対しては現状有効な治療方法がなく、進行を抑えるよう、サプリメントを飲んでいただくことが多いです。
滲出型では、黄斑部やそのそばに異常血管が発生し、出血を引き起こしたり、フィブリンといわれる血液中の糊や、血液中の水分がたまることで、見づらくなります。
この滲出型に対する有効な治療法は2つあります。1つが注射、もう一つがレーザー治療です。
主な症状
ー 視野の中心がゆがんで見える
ー 視野の中心が黒くみえる
ー 見えづらくなった(視力低下)
など
日常生活での見え方の違い
視野の中心が黒くなる場合の見え方
▼正常な見え方
▼加齢黄斑変性症の見え方
治療について
基本的に治療は注射。注射が効果がないもしくは併用が適切、と判断した場合「レーザー治療」を行う。
注射についてお話します。
2019現在、世界で標準的な治療です。注射には2種類あり、商品名でいうとルセンティスとアイリーアと言います。
どちらも効果は高いですが、それぞれ利点欠点があり、どちらが適切かは患者さんひとりひとりをみて決定します。効果は非常に高いですが、一回で治る方は少なく、複数回投与する方がほとんどです。高額な薬剤であることでも知られており、高額療養費制度の対象となることがあります。詳しくはお尋ね下さい。
注射は、眼球に直接針を刺します。麻酔を行いますので、痛みはそれほどありません。
施設によって、手術室で行ったり、外来処置室で行う施設に分かれます。当院では全例外来処置室で行っています。
レーザー治療についてお話します。
基本的に、前述の注射が効果がないもしくは併用が適切、と判断した場合に行います。
腕からビスダインと呼ばれる薬剤を注射しつつ、目にレーザーをあてる、といった治療であり、注射後は日光に当たってはいけないなどの注意事項がある治療です。当院では施行しておらず、必要な場合、対応できる病院への紹介となります。
最後に、手術というのは、人生の一大イベントだと思います。
今まで病気と無縁で、手術など考えたことがなかった方でも、加齢に伴いでてくるものですので、いつかその時は訪れます。
患者様の今後の人生に大きな影響を与える手術をいかに安全に、目や身体に負担なく、合併症なく施行するために、顕微鏡、手術機械、手術デバイス、そして手術技術そのもの、全てにおいて惜しみなく投資しております。
どこで手術を受けるか。非常に重要です。手術をご決断なさった方はぜひご相談ください。
院長よりメッセージ
(かれい おうはん へんせいしょう)