網膜には静脈と動脈いう血管が走行している。その静脈が何らかの原因でつまってしまい、出血を起こす病気。
目の内側を全部覆っている網膜という組織があります。
網膜には静脈と動脈いう血管が走行しています。その静脈が何らかの原因でつまってしまい、出血を起こす病気です。
複数ある静脈のうち、1本がつまる場合とおおもとの血管がつまる場合があり、1本つまるケースがほとんどです。
つまる原因として、動脈硬化、高血圧、高脂血症、糖尿病などが間接的に影響しているといわれています。
直接これが原因、と特定することは難しいケースが多いです。
多くは50代以降に発症します。出血自体はそのうち吸収しますが、2つの病気を合併することから、やっかいな病気のひとつとして数えられます。
2つの病気とは、ひとつが黄斑浮腫、ひとつが新生血管の発生です。
主な症状
ー 急激な視力低下
ー 何時何分に見づらくなった、とはっきりしている
ー 朝起きたら見づらくなっていた
ー 突然、視野が狭くなった
ー 物がゆがんで見える
など。
日常生活での見え方の違い
視野の一部が黒っぽい場合の見え方(出血したところが黒くみえる)
▼正常な見え方
▼網膜静脈閉塞症の見え方
治療について
出血自体はそのうち吸収するが、2つの病気(黄斑浮腫・新生血管)を合併するため、治療は主にこの2つに対して行われる。
出血自体はそのうち吸収しますが、2つの病気を合併することから、やっかいな病気のひとつとして数えられます。
2つの病気とは、ひとつが黄斑浮腫、ひとつが新生血管の発生です。治療はおもにこの2つに対して行われます。
黄斑浮腫とは、黄斑というものを見るのに重要な場所に水がたまる病気です。
ステロイドの注射か、ルセンティスやアイリーア注射が標準的な治療になります。
ルセンティス、アイリーアは、加齢黄斑変性症の治療薬剤でもありますが、この黄斑浮腫に対しても有効なことがわかり、保険診療内で使えるようになりました。1回で治ることよりも、複数回の投与が必要な場合が多いです。
もうひとつは新生血管に対する治療です。
静脈がつまり途絶することで、血のめぐりが悪い場所が生じてしまいます。その場所に、新生血管と呼ばれる異常血管が生えてきたり、生やそうとして、サイトカイン(微量生理活性タンパク質の総称)を出すようになります。
異常血管は破れやすく、大出血の原因となります。サイトカインは様々な場所に悪さをするようになります。
そこで、静脈がつまって血のめぐりが悪くなった場所を、レーザー光線を当ててつぶしてしまう治療が必要となります。(外来で行います)
最後に、手術というのは、人生の一大イベントだと思います。
今まで病気と無縁で、手術など考えたことがなかった方でも、加齢に伴いでてくるものですので、いつかその時は訪れます。
患者様の今後の人生に大きな影響を与える手術をいかに安全に、目や身体に負担なく、合併症なく施行するために、顕微鏡、手術機械、手術デバイス、そして手術技術そのもの、全てにおいて惜しみなく投資しております。
どこで手術を受けるか。非常に重要です。手術をご決断なさった方はぜひご相談ください。
院長よりメッセージ
網膜静脈閉塞症とは
(もうまく じょうまく へいそくしょう)